主に徒然、時々考察、たまに練成

色々やれれば良いなとは思っている

貞子DXネタバレ感想

貞子DX観てきたぜ!

 

内容としては

現代の高度情報化社会により、貞子の呪いが変質した!

IQ200の天才大学生女子、惚れっぽくウザい王子様と引きこもりネット友人と共に貞子の呪いに立ち向かう!

って感じでした。

「リング」と「らせん」は出来れば視聴した上で、出来れば劇場で見た方が良い作品でしたね。

ホラー苦手な人が見れない程度にはホラー映画してるけど、ホラー映画慣れしてるとホラーコメディに見えると思う。

 

公式HPはこちら。(2022/11/30時点では「大ヒット上映中」)

movies.kadokawa.co.jp

 

以下、ネタバレ感想です。

ほぼ解説なのでネタバレ有りというかネタバレです。

記憶ベースでメモも何もないので、ところどころエピソード前後してるかも。

 

・リング(日本版映画、ゲーム、一部SS)

・らせん

呪怨

・貞子vs伽椰子

を履修済というところで、

貞子DXにも正直期待せず観に行ったらホラーコメディーとしての要素と風刺が効いてて予想外にツボった感じ。

 

 

それでも良ければ続きをどうぞ。

 

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小芝風花演じる主人公こと一条文華(以下、文華)は、IQ200の天才女子大生である。

頭がいいのでオカルト的なことは信じておらず、全て科学的に説明できると思っている。

 

そんな文華のライバル? 池内博之演じる人気霊媒師のKenshin。

霊感があるよ~呪いはあるよ~でやっているので、

番組で共演した文華が気に入らないのか、

「全てが科学で説明できるというのなら、この呪いも解明してみなさい」と、

見たら24時間以内に死ぬという噂の呪いのビデオを渡してくる。

 

めっちゃ殺意あるやんけこのイケオジ(歓喜

ピコ太郎か織田無道を意識してるようなキンキラ衣装、嫌いじゃない。寧ろ好き。

エンターテイナーであることを認めている人気霊媒師という、

胡散臭いけど信じてる人からはめっちゃ威厳ある振る舞いに見える役者の演技も凄い。

 

 

そんなことを考えているうちに、

川村壱馬演じる前田王司(自称“王子様”占い師。以下、王子)が

呪いのビデオを見た女の子の死を動画撮影しながら見届けることに。

王子、動画撮ってないで少しは助けるとかしないんですね。

「見てないで助けなさいよ」と女の子になじられても何もしない。

精神、鋼の塊ですか? 心臓の毛ふっさふさじゃない?

ゲーム版リングやら何やら知ってる人は、女の子の動きから「あ、コレ髪の毛アタック食らってますね?」と察せたんじゃなかろうか。知らんけど。

苦しみながら前転する女の子。

慌てた王子が駆け寄ると、女の子は目を見開いて死んでいた。

 

 

王子が女の子の死ぬところをKenshin伝にSNSにUPして、それを見て考える文華。

するとそこに妹から「呪いのビデオ見ちゃったの、私死ぬのかな」と電話がくる。

しかも「静岡のおじさん(親戚、存命)が白い服着て、ずっとこっちを見てくる」という。

貞子ウィルスに感染したことによる幻覚である。

妹の一大事。タイムリミットは7時間くらい。

 

文華がKenshinの事務所に行ったら王子が暴れていて、被害者の女の子を救うために呪いのビデオをダビングして見たのに女の子が死んじゃったので、

「自分も死ぬんだ~!殺されるなら飛び降りて死ぬ~!」

とハッスルタイム。めんどくせぇ男だ。

 

諸々あって賢者タイムに入った王子、Kenshinと文華に経緯を話し、Kenshinのお祓いを受ける。

お祓いを受けた後、喫茶店に文華と移動して感電さんとの考証に参加したりするも、前夜にビデオを見た時間が来てドッタンバッタン大騒ぎする王子。

無事生き延びて「Kenshin様のおかげだぁ~」と狂喜乱舞。ひたすら煩い。

 

文華を文華ちゃん呼びしてうざがられる王子。

キメ台詞的なことを言って鼻をこする王子。

感電さんを見て茶トラん呼ばわりする王子。

ここはウザさのバーゲンセール会場ですか?

 

ウザい王子を放っておいて情報収集のためにもツイ廃してた文華、

ネットの知り合いこと引きこもりのネット廃人、HN:感電ロイド(以下、感電さん・茶トラん)とともに貞子の呪いの分析を進める。

 

貞子ウィルスは天然痘ウイルスと関係があるのではないか。

昔は7日間だった貞子の呪いが何故24時間になったか。

昔はビデオをダビングして他人に見せることで貞子の呪いから解放されていたのに、今は何故それが効かないのか。

何故、今回王子は死なずに生き延びることが出来たのか。

 

閃く猫のAA

 

文華「ビデオをダビングして見せるんじゃなくて、誰かと一緒に見ることが大事なんだ!」

 

バブルヘッドナースばりのカクカクダンスしながら迫ってくる静岡のおじさんの幻覚に怯える妹、おじさんの幻覚の髪の毛が伸びて「おじさんの髪が伸びた!」などと訳の分からない供述(正しい供述ではある)をしつつも、おじさんの幻覚が友達の幻覚に変わってマジ泣き状態で逃げまどいつつ母に捕獲される。

もう時間がない!というところで、家に入っても「来たやで~」されるし、天井からなんか変な液体がバタタっと滴ってくるし、髪の毛が垂れ下がってきてキモいし、妹マジ泣き発狂モード突入。

 

文華から母への連絡で「一緒にビデオを見る」ことで無事妹の前から友人の幻覚produced by 貞子は姿を消す。

文華は「複数人でビデオを見る」という貞子の呪いへの対抗方法をSNSで拡散し、エンターテイナーを自称するKenshinはネット民に自身がpgrされてるのを肴に日本酒を飲むのであった。

これにて一件落着。

 

 

と思うやん?

 

 

ほっとしたのもつかの間、呪いのビデオを撒いてるアホは誰やねんと感電さんの調査の手がネタ元に及ぶ。

プロのネット廃人感電さんとIQ200の天才文華により、ネタ元はKenshinの出身である神社と関係があると特定。

 

「どういうことじゃワレェ!」と文華と王子がKenshinのところに殴り込みにいくと、Kenshinは「エンターテインメントだよ。世に求められるコンテンツを提供しただけだ」と暗黒微笑。

キまってますね、最高。

文華達に詰め寄られている中でKenshinは自身の父の幻覚を見て、髪の毛アタックを食らい前転して死ぬ。

 

渡辺裕之演じるKenshinの父を白塗りして歌舞伎の乱獅子させるの素敵。

頭を振れば振るほど伸びていく髪の毛、視界を埋め尽くす髪の毛、首絞めてくる髪の毛。

増毛大サービスじゃん。

正直おじさんの幻覚の増毛と同じくらいここは笑った。

 

その後諸々あって、結局のところ貞子の呪いを解明するにはKenshinの神社に行って調べるしかないんじゃない?となる。

神社に行くと、そこには引きこもりから脱出してきた感電さんの姿が!

ネタ元特定後、割とすぐに動いてたっぽい。

やればできる猫、茶トラん。流石である。

 

呪いが貞子ウィルスによるものだったなら、複数人で一緒に見れば弱毒化できて抗体が出来て解決するのではなかったか。

しかし、文華と王子と一緒にビデオを見たKenshinは死んだ。

母と一緒にビデオを見直した妹はまだ生きている。

しかしながら母もまた幻覚が見えてきていて、それが死んだ父なもので「お父さん!!」という感じで行動がままならないし、妹も友達の幻覚がまた見えているので、車の前後に張り付かれながら、文華と王子と感電さんがいる神社に向かう。

ひたすらに時間がない。

 

クライマックスだよ全員集合!

 

王子がキメ台詞鼻擦りし続けるうちに王子慣れした文華、普通に良いこと言われたのもありトゥンクする。

感電さんは持病持ち(喘息かな?)なので、普段同じタイミングで飲んでいた薬を飲み忘れていたことに気付き、「いつもと違う生活リズムだと忘れちゃうね」等とボヤきながら薬を飲む。

 

と、そこでまたもや文華の閃きが。

閃く猫のAA

 

文華「抗体をつけるという発想が間違っていた。ルーチンとして、一定時間内にビデオを見ることが大事なんだ!」

 

Kenshinがビデオのダビングに使用していた廃神社なので電気が通っていてTVもデッキもある。呪いのビデオは感電さんが持ってきた。

みんなで時間が来る前に呪いのビデオ鑑賞会をしなければ!

ということで、みんなでビデオを見る準備をする。

エンターテインメントは皆で楽しまないとね。

 

母は「お、お父さん~」と後ろ髪引かれる思いで妹に手を引かれて主人公達と合流する。

ビデオを見なきゃいけない奴らが全員集合してビデオを見る中、

感電さんはビデオを見ていないので幻覚を見ておらず、

「コイツら、今、幻覚見てるんだよ……な?」と戸惑うシーンが繰り広げられる。

 

だって、自分には何も見えないのに皆もがき始めて前転しまいと踏ん張り始めるんだぜ。

皆がVRヘッドギア付けてる中で一人だけ付けてない人みたいになってるガスマスク人間の図。

本人たちはめちゃくちゃ必死だし幻覚の中では黒髪嵐なわけだが、絵面が完全にコメディである。

 

ビデオを見るのがギリギリ間に合ったのか、はたまた前転しまいと踏ん張ったからか、幻覚の貞子は退散していく。

 

そうして何とかかんとか日常に戻った主人公たちは、毎日テレビ通話をしながら貞子の呪いのビデオを見るようになったのであった。

 

 

 

以下、どうしても言いたい感想。

・脇役が濃い。

SNS(どう見てもTwitter)で、主人公や呪いの話をする人が4組?いる。

凸凹あるあるな女子高生トリオ、毒舌気取りサラリーマン中年男性、インターネット老人会所属のおじさん構文遣いおじいちゃん、おかあちゃん味溢れる主婦。

よく老若男女揃えたな!?

毒舌気取りサラリーマンとおじさん構文遣いに「あ、あっ、痛っ」ってなりながら(共感性羞恥がヤバい)、

主人公が何かする度にSNSでの呟きが出てくるけど、女子高生の呟きも主婦の呟きもモブの呟きも、別にメインじゃないので引っ掛からず観れるテンポの良い演出。

あと、脇役と言っていいのか分からんが、お母さんの精神タフすぎません?

最後には「今夜もよく来たわねぇお父さん」って感じに幻覚の父にお茶出してるぞ。

父、めっちゃプルプルしながら一緒にビデオ見てるの笑うからホントやめてw

 

Twitter使いすぎだろ主人公もライバルも。

エゴサしてるし、お前ツイ廃だな?(偏見)

 

・過去作のセルフオマージュ多め。

井戸の端が欠けているとか、貞子ウィルスの話とか、貞子髪の毛アタックとか。

貞子の呪いにかかった人が共通で見る幻覚や夢は「らせん」でもありましたね。

というか貞子お前「貞子vs伽椰子」でも髪の毛アタックしてたよな。

ゲーム版「リング」でも髪の毛アタックあったよな、鬼太郎スタイルだけど。

お母さんが大事そうに髪を櫛梳るところ見てただろうに、髪の毛を武器にするのに定評がある貞子。

貞子ウィルスが~という話は、原作小説か映画「らせん」を見ると分かりやすいかも。僕は原作小説読んでないけど。

 

・他のもののパロディやオマージュも多め。

フワちゃん、ダチョウ倶楽部はぱっと分かった。

こういう映画で本人ではなく「そういうキャラ」という役者を使うの珍しい。

不祥事対策としてもアリですね。

問題は、時事ネタなので数年後数十年後に見て「何アレ?」ってなりそうなことくらい?

天井から汚い感じの水が滴ってくるのは「仄暗い水の底から」かな。

知り合いの姿で出てくる貞子?の動きは、サイレントヒルのバブルヘッドナース系ですね。ホラーキャラあるある。

何故に乱獅子増毛真っ暗毛(らんじし ぞうもう まっくらけ)なのかは分からぬが。

 

・貞子DXというタイトル

「貞子3D」という作品もあったので、「さだこデラックス」と、マツコデラックスのように読んでいたが違った。

ビデオからネットに進出し、7日間かかる呪いを24時間に短縮することで、毎日大勢の人間に呪いのビデオを見せることに成功した貞子。

それはDX……デジタルトランスフォーメーションの一つの形だったのだ。

 「さだこデジタルトランスフォーメーション

言いづらいよ。でも好き。デラックスでも良いと思う。

動画投稿者には再生回数による収益が入り、貞子はウィルスを広められてWin-Win

これには高山竜司(「らせん」に出てくるヤバい人)もニッコリですね。

 

・残った疑問点

貞子ウィルスで見る幻覚、どういう人の幻覚を見てたんだろうね?

「大切な人」や「思い入れが深い人」辺り?

妹:静岡のおじさん、友達

王子:痛タトゥーの彼女、文華

文華:妹

母:お父さん

……妹よ(´・ω・`)

 

まとめ

王子は相変わらず王子しているが事件を元に繋がった主人公と茶トラんを大事にしてるっぽいし、

お母さんは偽物でもお父さんでも毎日会えてハッピーだし、

おじさん構文遣いおじいちゃんと毒舌リーマンはぼっちから解放された。

強制的に団欒タイムを設けたので、他人の話を聞かない馬鹿以外は毎日ルーチンをこなして、非日常が日常になり、仲が深まった。

 

みんな寂しくなくなりました、良かったですね。